キズパワーパッド

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さて、世間の俗説を10個以上ぶった切ってチョット刀がなまってきましたが、続けます。

ちなみに、手術のとき、最初に皮膚を切開するメスは、数十年前より使い捨てです。
皮膚のようなやわらかいものでも、一度切ると刃がなまりますから。
研修医が一度切って、皮膚の切り方が浅くてもう一度メスを直介ナースからもらって切ろうとしても、最初のような切れ味は出ません。
正確に言うと、油で切れ味が悪くなっているのかもしれません。

では、はじめます。
キズパワーパ○ドをぶった切ります。
Wet Dressingと言う理論(手法)を応用したのでしょうけど、擦り傷にこのキズパワーパ○ドをはって、グジュグジュに化膿して来院する人を良く見かけます。

出典元:PhotoAC

そもそもWet Dressionは、仙骨レベルまで露出してしまった深い褥瘡などの治療で使われる手法です。完全に組織が欠落して、穴が開いているので、肉芽の盛りが遅いので、Wetな環境を作ってやると繊維芽細胞が遊走しやすいという理論です。
Wetな環境で、且つ、感染がコントロールされていることが条件で、擦り傷などの浅い傷で、洗浄も不十分で受傷直後にふたをしたら、そりゃ、えらいことになります。

ネットでたまに
「こんな深い創だったのに、水道水での洗浄とキズパワーパ○ドで一瞬で治った」
と書いているのを良く見かけますが、まあ、気のせいでしょう。
Dryな環境でも同じくらいの期間で治っていたと思います。

擦り傷は、砂などの異物が入っていなければ感染する率は低いので、それほど神経質になる必要も無いでしょう。
それより、受傷して不十分な洗浄でフタをしてしますほうがよほど創に悪いです。

最後に小ネタ。
一般に言うキズは、医学的には創=そうで、傷=しょうではありません。

創=解放されたキズ
傷=閉鎖されたキズ

です。
例えば
切られた(切れた)傷は、「切創=せっそう」
脳の損傷は「脳挫傷=のうざしょう」
です。

頭蓋骨が割れて開放性のものは、脳挫創と言うかどうかは知りません(笑)。
たぶん開放性の脳挫傷と言うのでしょう。

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